山梨県立ろう学校

校長あいさつ

 

第29代校長 中村 知佳

 

 赴任から2年目の校長の中村知佳(なかむらちか)です。ホームページを御覧いただいている皆様に御挨拶申し上げます。

 本校は山梨県で唯一の聴覚障害特別支援学校で、令和4年に創立100年目を迎え、今年度は103周年目に入る歴史と伝統のある県立学校です。大正11年に私立山梨盲唖学校として開校し、昭和24年に現在の山梨県立ろう学校になりました。校舎は山梨市の笛吹川のほとりに位置し、学校周辺は桃などの果樹地帯に囲まれ、春には桃源郷と化し、自然豊かな学習環境に適した地にあります。

 

  本年度は幼稚部9名、小学部13名、中学部7名、高等部3名、計32名でスタートします。幼稚部から高等部まで一貫した教育が行われており、自立と社会参加にむけて、幼児児童生徒の持つ力を最大限に引き出すとともに、社会性や思いやりの心を育むための教育課程を編成して、教職員一同、幼児児童生徒の教育に研鑽を積み、切磋琢磨しています。

 

 本校は「幼児児童生徒のたくましく生きる力と豊かな言語力を育む」の学校教育目標のもと、

 ・一人一人の特性に応じた適切な指導及び必要な支援の充実を図る

 ・自身の力を発揮し、自分が自分らしく生きる力を育成する

 ・物事に対し、周囲の人とともに取り組む力を育成する

こととしており、単一障害の幼児児童生徒には小学校や中学校、高等学校に準ずる教育、重複障害の幼児児童生徒には聴覚障害による学習上、生活上の困難さを克服するための教育課程を展開し、自立と社会参加に向けた言語力、コミュニケーション能力を育んでいます。

 

 また、地域における聴覚障害教育のセンター校としての役割を果たしていくことが求められていますので、乳幼児の教育相談をはじめ、各学校の難聴学級等への相談支援のほか、ほとんどの授業を通常の学級で過ごし、一部特別な指導を必要とする聴覚に障害のある児童生徒を対象とした「通級による指導」の巡回を全山梨県下で行っています。

 

 今年度も本校の魅力をさらに地域や校内外に発信し、多くの方々に聴覚障害についての理解を深めていただき、幼児児童生徒の自立に向けた教育活動の御支援を賜りたいと思っております。今年度は東京で聴覚障害者の国際スポーツ大会「デフリンピック」が日本で初開催されます。このデフリンピックには、卓球で本校の卒業生亀澤史憲選手、柔道でも在籍していた佐藤正樹選手が出場します。この千載一遇の機会を教育活動の一つに盛り込んで、幼児児童生徒に障害を乗り越えた先の希望を大きく育てたいと思っています。

 今後とも、本校の教育活動に御理解と御協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

 

                            令和7年4月吉日

                                                                    校長 中村 知佳